木村鋳造所の鋳造業におけるサーキュラーエコノミー

「鋳造業におけるサーキュラーエコノミー:持続可能な社会を目指して」

サーキュラーエコノミーとは

サーキュラーエコノミー(Circular Economy)とは、直訳すると「循環経済」であり、環境省は以下のように定義しています。

循環経済(サーキュラーエコノミー)とは、従来の3R(スリーアール:Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル))の取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出す経済活動であり、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指すもの。

引用元:https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/r03/pdf.html

また、提唱者であるエレン・マッカーサー財団は、サーキュラーエコノミー実現に向けて3原則に基づいた経済活動や行動が欠かせないと提唱しています。

参考:https://www.ellenmacarthurfoundation.org/topics/circular-economy-introduction/overview
参考:https://www.kinkos.co.jp/column/what-circular-economy/

<3原則>
1.排除:廃棄物ありきの設計段階を排除し、資源循環させる。
2.循環:製品および原材料を利用可能な状態のまま循環させる。
3.再生:使用後もゴミにならないように工夫し、資源フローの収支を合わせ、自然資本の保存・増加を目指す。

従来の「環境活動としての3R」から「経済活動としての循環経済」への転換が求められていて、サーキュラーエコノミー関連市場は、国内外で今後大幅な拡大が見込まれています。国内では2030年に80兆円規模の市場が予想されています。

参考:https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/shin_kijiku/pdf/010_05_00.pdf
サーキュラーエコノミー
サーキュラーエコノミーイラスト

リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ

従来は、「大量生産・大量消費・大量廃棄」の一方通行な線形経済(リニアエコノミー)でしたが、2000年に「循環型社会形成推進基本法」において、3R(リデュース、リユース、リサイクル)の考え方が導入され、3Rを推進させて廃棄までの寿命を長くする取り組みがされてきました。 この3Rに対して、廃棄物や環境汚染を最初から発生させないような循環経済を形成するという考え方が「サーキュラーエコノミー」となります。従来は、出口戦略なのに対して、サーキュラーエコノミーは入口戦略ということになります。

リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ
リニアエコノミーからサーキュラーエコノミーへ

資源循環への移行は、統合的な取り組みが必要

循環経済への移行は、脱炭素社会への移行や自然再興の取り組みと相互に関係しており、統合的に推進することで持続可能な社会を形成します。これにより、天然資源採掘や製品の製造・廃棄に伴うCO2排出量の削減に寄与し、カーボンニュートラルに貢献します。また、資源を循環利用することで自然資本(森林、土壌、水、大気、生物資源など)の持続性を高めることができます。

サーキュラーエコノミー(CE)、カーボンニュートラル(CN)、ネイチャーポジティブ(NP)の関係図
サーキュラーエコノミー(CE)
カーボンニュートラル(CN)
ネイチャーポジティブ(NP)の関係図

事例1:木村鋳造所は鉄資源を最大限まで有効活用しています!!

木村鋳造所は、鉄スクラップを電気炉で溶解して鋳鉄鋳物を製造している鋳造会社です。さまざまな業界で役目を終えた鉄スクラップを高い材質管理技術で再利用し、高品質な鋳物を製造しています。これにより鉄資源は循環を繰り返しています。


~当社の取り組み~

1.購買戦略によって、鉄資源を安定的に確保
2.粗悪なスクラップも高い鋳鉄溶解技術で活用し、鉄スクラップ比率を高めた溶解操業を実現
3.溶解後の残湯を最小限にする計画・作業の実施
4.溶解工程で発生する産廃中の鉄源を磁選処理にて回収し再利用
5.技術と経験に基づく溶解歩留まり向上させる方案設計
6.解枠工程以降の製造ラインで発生する鉄源を磁選処理で回収し再利用
7.仕上げ工程での施工物を材質ごとに仕分けし再利用

これらの取り組みにより、当社はサーキュラーエコノミーを実現し、持続可能な社会の構築に貢献しています。

鉄資源の循環サイクル(サーキュラーエコノミー)
鉄資源の循環サイクル(サーキュラーエコノミー)