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世界文化遺産・韮山反射炉の大砲復元鋳造について
2017/05/31
(社)日本鋳造技術協会より論文賞受賞
1.緒言 菅野利猛
私ども木村鋳造所は ’97年 2月、 昭和2年の創立以来70周年を迎えることができた。これはひとえに、 お客様・業界関係者・その他多くの皆さまからのご厚情の賜と心より感謝申し上げます。このたび、 当社の70周年記念事業の一環として、地元の国指定史跡である韮山反射炉に24ポンドカノン砲を、復元鋳造させていただいた。写真1に復元した24ポンドカノン砲を、写真2に韮山反射炉の全景を示す。復元作業に当たっては、韮山町をはじめ多くの分野の方々にご協力頂くと共に、貴重なご意見や資料の提供を受けた。当時の鋳造技術、歴史的背景を織りまぜながら当社での大砲の復元過程を報告する。
また、伊豆へ来られた折りには、是非韮山の反射炉をお訪ねいただきたい。
上記の論文の緒言は日本鋳物技術協会誌「JACT NEWS」(1998年9月 P16725-16733)に掲載されたものです。
当社が韮山へ大砲を寄贈したことをきっかけに、韮山反射炉の歴史を鋳造工学の観点から解説したものです。また、木村鋳造所の大砲復元作業の様子についても詳細に解説しました。論文作成に当たっては、韮山町の関係者及び佐賀県立博物館より資料をお借りしたり、復元作業の工程を現場の方々に取材させて頂くなど、社内外の多くの人々に協力頂きました。
この論文が高く評価され、「平成11年度鋳造技術協会賞」を受賞しました(1999年5月28日)。その賞状を右に示します。