KIMURAの仕事JOB
工程を現場の様子を交えご紹介
リバースエンジニアリング / KDW(KIMURA DESIGN WORKS)の現場
KDW(KIMURA DESIGN WORKS キムラデザインワークス)とは
FMC法(フルモールド鋳造法)の模型製作で培ってきたノウハウや、そこで導入している最新の設備を活用し、お客さまに精密な立体造形物をお届けするサービスがKDW(KIMURA DESIGN WORKS キムラデザインワークス)です。KDWでは、お客さまからご要望いただいた多彩な形状の立体造形物を、短期間で製作することができます。人物やキャラクターの等身大フィギュア、ミュージシャンのステージのセット、モニュメント、立体看板など、さまざまな場面で利用されています。それらがどのようにして製作されるのか、KDWの作業工程を説明しましょう。
KDWで作られた立体造形物は、誰もが知ってる有名テーマパークのイベントや大物アーティストのライブなどでも使用されているよ。エンターテインメントの世界とも関わりがあるサービスなんだ。
工程1 モデルにする立体物の測定
はじめに、KDWで製作しようとしている模型のモデルになる立体物の形状や寸法などを測定して、3Dデータを作成します。モデルにする立体物の測定には、「3D Photo Scan System」か光学式三次元測定機「ATOS」のどちらかの機器を使います。3D Photo Scan Systemは、人物の測定に適しており、形状や寸法に加えて色の再現も可能です。一方、ATOSでは、より精度の高い測定が可能で、3D Photo Scan Systemでは測定できない大型の立体物にも対応します。
ATOSは、もともとFMC法で作る模型や、出来上がった鋳物を検査するために導入されたんだ。KDWは、FMC法からのスピンオフで生まれたサービスなんだよ。
工程2 3Dソリッドデータの作成
次に、立体物を測定して作った3Dデータから、KDWで製作する模型の3D設計データを作成します。3D Photo Scan System やATOSで作成した3Dデータは、影になった箇所をうまく測定ができていなかったり、ノイズが入っていたりする場合があります。また、KDWでは、モデルにする立体物と同じ大きさのものだけでなく、それを何倍にも拡大した模型を製作することもあります。その場合は、測定した3Dデータのままだと細部の造形が荒くなってしまうため、お客さまのご要望に沿った模型に仕上がるように補正した3Dソリッドデータを作成します。
KIMURAには、FMC法の発泡スチロール模型製作で培ってきた高い3Dモデリングの技術があるんだ。KDWには、FMC法で使っている設備だけでなく、技術も生かされてるんだよ。
工程3 発泡スチロールの削り出し
補正された3Dソリッドデータを使って、発泡スチロールブロックから模型を削り出します。発泡スチロール模型の削り出しは、FMC法でも使われるNC加工機に加えて、ロボットアーム加工機も使われます。ロボットアーム加工機は、NC加工機では対応できない複雑な形状を削り出すことができます。また、NC加工機は垂直方向にしか削ることができませんが、ロボットアーム加工機は水平方向に加工することも可能。特に、1個の発泡スチロールブロックから継ぎ目が無い模型を削り出したいときは、ロボットアーム加工機を使用します。
工程4 発泡スチロール模型の完成
発泡スチロールの削り出しが終わると、複数のパーツに分割されている場合は、組み立てます。さらに、人物などの模型を機械で加工した場合は、細部の削り込みが甘いことがあるので、手作業で削って仕上げを行います。細部まで仕上げて完成させた模型は、下地処理などを施し、丁寧に塗装した上でお客さまに納品します。また、お客さまのご要望によっては、発泡スチロール模型をそのまま鋳造部門に回して、金属製の鋳物として納品する場合もあります。
塗装に関しては、KIMURAはまだ進化の途中なんだ。人物の模型は塗装によって見映えが大きく変わるから、よりリアルに仕上げたいときは専門の業者にお願いすることもあるけど、キャラクター模型などの塗装は社内で行っているよ。
KDW(KIMURA DESIGN WORKS キムラデザインワークス)は、一点物の立体造形物の製作に適したサービスです。また、お客さまの目的や用途に応じて、発泡スチロールと金属のどちらを使った模型でも製作できる点も特長。さらに、製作開始から納品までのリードタイムは、発泡スチロール切削では最短3日。NC加工機が50台以上という設備を生かしたスピードも大きな付加価値となっています。従来のKIMURAのお客さまとはまったく異なる業種からご発注いただくことも多く、今後大きな成長を見込める事業です。